境内のご案内 寳泉寺の歩み お知らせ 供養・墓苑 特別連載
お墓(おはか)

「ほうじょうさ〜ん、こんにちは」
「太郎くん、よく来たね」
「うん、今日はお墓参り」
「ひとりでかい? めずらしいね」
「運動会で一番取ったの。お祖母ちゃんが、お祖父ちゃんに報告しなさいって!」
「そうか、一番か。お祖父ちゃんも、足は速かったんだぞ。確か、県の大会で、いいところまで行ったらしいな」
「へ〜、ボクも、いいところまで行けるかな」
「それは太郎くん次第だな」
「へへっ、じゃあ、がんばろうかな」

線香の炎

「お祖父ちゃんも応援してくれるぞ。ところで、その線香、火をつけてあげるから、こっちにきなさい」
「ありがとう」
「ほら、火がついた。太郎くん、見てなさい。線香の炎は、こうやって消すんだよ」
「へ〜。ふ〜ってやったほうが、早いのに」
「いやいや、線香の炎は、口で吹き消しちゃだめなんだ」
「なんで?」
「線香の火は、仏さまにお供えするものだからな。それを息で吹き消したら、失礼だろう」
「うん」
「だから、こうやって、手で仰いでけすんだよ」
「へ〜」
「じゃあ、今日は、いっしょにお墓参りしようか?」
「いいの?」
「うん、じゃあ、おいで」
「は〜い」


お墓参り

「本当はね、お墓参りの時は、まず、お墓の掃除から始めるんだけど、先週、お祖母ちゃんが掃除していたから、今日は無しということにしよう」
「うん」
「今度は、太郎くんがやるんだぞ!」
「え〜、じゃあ、今度はお祖母ちゃんといっしょに来るよ」
「はははは。じゃあ、ここで、この桶に水を汲んで」
「は〜い」
「じゃあ、太郎くん。桶を持って」
「おも〜い」
「そうだな、こりゃ、太郎くんには重すぎたな。悪い悪い、僕が持つよ
「ありがとう、方丈さん」
「じゃあここで、お墓に、お水をかけて! それから花立ての水も、ちゃんと入れ替えてね」
「は〜い」
「はい、花立てにお花をさして」
「は〜い」
「はい、これ。今度は線香をお供えして」
「うん」


合掌

「じゃあ、いっしょに、手をあわせて。それで、お祖父ちゃんに話しかけなさい」
「お祖父ちゃん、駆けっこで初めて一等賞をとったよ。すごく、嬉しかった。お祖母ちゃんも、すごく喜んでくれた。それでね、お祖父ちゃんに報告しなさいって。僕、お祖父ちゃんみたいに、もっと駆けっこ早くなるよ。頑張るね」
「よかったよかった、お祖父ちゃん、喜んでくれているな」
「ほんとうに、喜んでくれているかなあ」
「そりゃ、喜んでいるよ。孫が一等賞とって、嬉しくないお祖父ちゃんはいないからな」
「よかった。『お祖父ちゃんに報告してきなさい』って言われた時、何か、面倒だなって思ったの。でも、お祖母ちゃんがしつこいから、しょうがなくて来たの。でもお参りしたら、何か、やっぱり、嬉しい感じがしたよ」
「そうかあ。よかったな」
「今度は、もっといい報告できるように頑張らなくっちゃ」
「じゃあ、今度はテストで百点だな」
「え〜、そんなの無理だよ。難しいこと言わないで〜」
「ごめんごめん。大丈夫、お祖父ちゃんは、太郎くんが来れば、それだけで喜んでくれるから」
「うん、方丈さん、ありがとう」
「うん、よかったな。また来るんだよ」
「はい。じゃあ。さようなら」
「うん、さようなら」







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